CALENDAR

このブログを検索

2010年3月22日月曜日

高速度撮影が捉えた稲妻のメカニズム

以下はWired Visionより全文抜粋:

Tom Warner氏は、ラピッドシティーにあるサウスダコタ鉱山技術学校の博士課程の学生だ。
「2007年以降、私は毎秒最大5万4000コマの撮影の可能な高速ビデオカメラで、稲妻を記録してきた。この種のカメラは、われわれがこれまで見たことのないような形で稲妻を見せてくれる。稲妻が、雲から下に向かって伸びていっているのか、それとも、高い建物から上に向かって伸びているのかがはっきり見分けられるほどだ」と同氏は語る。
同氏がしばしば使うカメラは、Vision Research社の高速撮影用『Phantom』だ。このカメラでは、リング状のメモリーバッファに、継続的に記録を行なっている。「私は稲光に気付いたらカメラのボタンを押す。その時はもう稲光の消える寸前だが、カメラはボタンを押す2.5秒前からの動画を保存してくれている」



この動画ではまず、下向きに伸びていく、マイナスに帯電した先駆放電(ステップリーダー)が見える。稲妻はさまざまな方向に枝分かれしていき、枝分かれの1つが地面に到達すると、明るい帰還雷撃(リターンストローク)が発生する。
[落雷現象では、まず、雲の内部から地面に向けて先駆雷撃(ステップ・リーダー、階段型前駆)という小さな放電がくりかえし発生して、少しずつ空気中にイオン化した経路をつくっていく。この先駆雷撃が地表近くまで進展してくると、それに対応して地面に集まってきた電荷からも放電路が伸びてゆく。そして両者が接触することによって、数十キロアンペアの大電流が瞬間的に流れる(0.0002秒程度)帰還雷撃(リターンストローク)が起こる。それから数十ms(1msは1000分の1秒)の休止をおいてから、上空から同じ道筋をたどって放電があり(矢型前駆/ダートリーダー)、それにつづいて2度目の帰還雷撃がおこる。このような現象を数回くりかえし、電位差が中和されるまで放電が続く。1秒たらずの間に3~4回放電が繰り返される]
この稲妻の映像は、毎秒7200コマのシャッタースピード(1コマ撮影するのに139マイクロ秒)で撮影された。先駆放電は毎秒数百キロメートルという速さで空中を進んでくる。明るい帰還雷撃は、光速のほぼ半分くらいの速度で上に伸びていくが、速すぎて写真では1枚しか捉えきれていない。

空中のステップリーダー



この動画では、マイナスに帯電した複数のステップリーダーを見ることができる。これらはさまざまな方向に移動し、時折静止しては再び移動する。ステップリーダーは最後には下向きに移動して地面に到達し、帰還電撃を発生させる。
[空気は絶縁物質なので、ステップリーダーは枝分かれやストップ&ゴーを繰り返す。20〜50mほど進んでは止まり、また進みを繰り返し、枝分かれしながら進んでゆく]

飛行機から撮影



上の稲妻は、飛行機から撮影された、マイナスに帯電した先駆放電(ステップリーダー)。先駆放電が地面に到達すると、帰還雷撃が発生し、稲妻の通ってきた道が一気にまた明るくなる。その次に明るくなるのは、高速で下に向かうダートリーダー(矢型前駆)のためだ。これは先駆放電と同じ経路を辿って、第2の帰還雷撃を発生させる。

リコイルリーダー



上の動画には、プラスに帯電した稲妻の放電が、雲から落ちてくる様子が捉えられている。稲妻が地面に到達したところで、帰還雷撃が起こっているのも確認できる。
プラスに帯電した稲妻の放電はあまり明るくなく、始めのうちに細かく枝分かれする。枝分かれした経路のうち明るくないものでは、ストロボ効果が起こる。
これらはリコイルリーダーと呼ばれ、枝分かれした経路を、雲に向かって文字通りにリコイル(退却)していく。これは、プラスに帯電した稲妻の放電の発生の過程に特徴的なものだ。Warner氏によると、この現象は高速カメラが出現するまで確認できなかったそうだ。

塔への落雷



これは、下向きの、マイナスに帯電した先駆放電が塔に落ちた瞬間だ。マイナスに帯電した先駆放電が塔に近づくと、塔の先端からプラスの放電が起こって上方に伸びていく。この上向きの放電が下向きの放電とぶつかると、帰還雷撃が発生する。その後もダートリーダーの帰還雷撃が5回起こっているのが確認できる。

稲妻を誘発するテレビ塔



この動画は、プラスに帯電した放電が上に向かって伸びていく様子を映している。テレビ塔の先端から発生し、枝分かれをしながら上空の雲に到達している。あまり明るくない経路のいくつかで、明るいリコイルリーダーの発生が確認できる。
この塔の形は電場を大きくしやすく、そのことが稲妻を誘発している。
{サイトトップの画像はWikimedia}
[日本語版:ガリレオ-江藤千夏/合原弘子]

精巧なロボットハンド・他

東京大学の石川小室研究室精巧なロボットハンド



と、高速感知技術による、書籍のスキャニング



「ブックフリッピングスキャニング」は、 ユーザによる連続的なページめくり動作中に、各ページの情報を読み取る新しい技術。
 もうひとつ。
The Deformable Workspace